白井です。
今日も引き続き楽譜作りな1日でした。
楽譜の打ち込みの参考のために、楽譜をガサガサと漁っていたら、とても懐かしい楽譜を発見してしまいました。
ウェーバーのクラリネット協奏曲第1番の楽譜です。
大学入学したばかりの時に、ひとつ年上の先輩から頼まれて伴奏した時の楽譜です。
前期の試験のための伴奏だったかと思います。
それまでは伴奏なんて中学生のときの合唱の伴奏をやったくらいだったので、本格的なクラシック音楽の伴奏としては、記念すべき初の伴奏でした。
1回目のレッスンは今でもはっきりと覚えています。
クラリネットの先輩のレッスンというよりも、ほとんど私のダメダメな伴奏のレッスンとなってしまいました。
まず先生から言われたのが、「あなた!この曲きちんとオーケストラの音を聞いてきたの?」と言われ、「いいえ、聞いていません」と答えたところ、「弾いている部分は実際には何の楽器が使われているかを理解して、きちんとその楽器の音を出さなきゃだめじゃないの!」とこっ酷く怒られました。
「え?ピアノはピアノの音でしかないんじゃないの?」とも思いましたが、とても怖い先生だったので、素直に「はい」と答え、何とか初レッスンを終えました。
そう言われてしまったので、学校で借りてきた実際のオーケストラのCDを自宅で何度も何度も聴き、オーケストラの音を頭に叩き込みました。
そしてその後、それぞれの楽器をイメージしながら弾く練習を始め、最初は「やっぱピアノはピアノの音だよなー」なんて思いながら練習していたのですが、練習していくうちに段々と、「あれ?強くイメージして弾くと確かにそれぞれ楽器の音色に聞こえるなー。不思議だわー」なんていう初めての体験をしました。
その後のレッスンも順調ではなく、毎回毎回こっ酷く叱られまくっていたんですが、本番である試験が終わった後にその先生から、「伴奏良かったわよ。全体としてはコンクールに出してもいいくらいだったわ。」と褒めていただきました。(その先生は女性です。)
それまで怒られまくっていたので、それはそれは嬉しいお言葉でした。
まさに飴と鞭。いやいや、百叩きとアンリシャルパンティエのフィナンシェ。
色々と大変な思いをしましたが、私の人生を変える程の出来事でした。
これを機に、伴奏の楽しさを知り、積極的に伴奏を引き受けるようになりました。
大恩師のバリトン歌手の島村武男先生の練習伴奏なんかも、この体験がなかったらやっていなかったことでしょう。
そういった意味では、この厳しいクラリネットの先生が居なければ、音楽を一生懸命にやるなんてことはなかったでしょうし、今の自分も居なかったと思っています。
音楽の奥深さと楽しさを教えてくださった先生です。
そして何より、何もできなかった私に伴奏を頼んでくださったその先輩には、今でも本当に感謝しています。
考えてみたら、今の自分があるのもその先輩のお陰かも。
その先輩へ。
Facebookページの方では、いつもいつも「いいね」をくださり、ありがとうございます!
発見した楽譜は本当に懐かしく、しばらく仕事もせずに見入ってしまいました笑
また素人同士演奏でもやりましょう!
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