白井です。
天気が悪い割には蒸し暑い一日でした。
1892年の今日は、レオンカヴァッロ作曲のオペラ「道化師」が初演された日だそうです。
言語のタイトルは「Pagliacci」で、私は道化師という和名で言うことはあまりなく、「パリアッチ」と言うことの方が多いような気がします。
ですので、以下よりタイトルを「道化師」ではなく「パリアッチ」と呼びます。
このパリアッチというオペラは1時間ちょっとの短いオペラですが、聴きどころや見どころが満載のオペラです。
そして、話の内容もとても分かりやすいオペラです。
話が分かりやすく、聴きどころ満載、そして見どころも満載、更に上演時間が短いので、「オペラ観てみたいけど何から観たらいいの?」という方にはピッタリなオペラかと思います。
このパリアッチの中で最も有名な曲と言えば、やはり「衣装をつけろ」という主人公のテノール歌手が歌う独唱曲です。
恋人の浮気現場を見てしまった気性の激しい主人公が、怒りと悲しみに満ちた気分の中、ピエロの衣装を着て白粉を塗って、そしてお客さんを笑わせなければならないという複雑な状況の中で歌います。
ちなみに主人公は旅芸人(て言うのかな?)の座長で、恋人(奥さん?)もその一座の女性ピエロです。
この歌はとても難しく、テノール歌手でも強くて重い声が要求されます。
私はやはり、マリオ・デル・モナコが歌う「衣装をつけろ」が一番好きです。
YouTubeに絶対に上がってるなと思って探したら、思った通りありました。
そして、今まで聴いた日本人テノール歌手の「衣装をつけろ」では、田口興輔さんが群を抜いて素晴らしいです。
今後、日本人で田口興輔さんレベルの歌手が出て来てくれたら嬉しいのですが…。
話が脱線しますが、まだ私が20代の頃に恩師のバリトン歌手の島村武男先生のディナーショーにゲストとして田口興輔さんがいらっしゃいまして、その時はカンツォーネを歌い、これまた素晴らしかったのをよく覚えています。
ちなみに私は、ビデオ係か何かでお手伝いに行っていました。
また田口興輔さんの歌を生で聴いてみたいものです。
パリアッチに話が戻りますが、「衣装をつけろ」を歌った後にお客さんが集まる喜劇の舞台が始まり、その後すったもんだがあり、喜劇が悲劇に変わり、にも関わらずバリトン歌手が演じるピエロが「これで喜劇は終わりです」という台詞で幕を閉じます。
最初に観た時にはこの最後の台詞がなかなか衝撃でした。
実はこのお話し、作曲者のレオンカヴァッロのお爺ちゃんだかお父さんだかが裁判官で、そのお爺ちゃんだかお父さんだかが実際に裁判で扱った事件を参考にしたお話しだと言われています。
パリアッチは私も大好きなオペラで、1時間ちょいの短い中でもお話も音楽も充実していますので、オペラってどうなのよ?って思っている方には是非ご覧になっていただきたいオペラです。
ただ、初めて観るオペラは良い歌手のものを観ていただきたいな…なんて思います。
変な歌手のものを観てしまって、オペラってこんなもんかよって思われるのが悔しいので。
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